移動平均線のゴールデンクロスは勝てるのか?(5)

手法検証

概要

前回、USD/JPY以外の通貨ペア(EUR/USD、EUR/JPY、GBP/USD、GBP/JPY、EUR/GBP)で検証した移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロス。

トレンドが発生しやすい通貨ペアは良い傾向があったので、ある程度利益が乗ったところで、その利益を確保出来るようにトレーリングストップ機能を追加して検証してみました。

前回の検証はこちら

エントリー

ロングエントリー

期間25の単純移動平均線が期間75の単純移動平均線を確定足で上抜けた時にエントリーします。

ショートエントリー

期間25の単純移動平均線が期間75の単純移動平均線を確定足で下抜けた時にエントリーします。

決済

ロング決済

期間25の単純移動平均線が期間75の単純移動平均線を確定足で下抜けた時に決済します。

ショート決済

期間25の単純移動平均線が期間75の単純移動平均線を確定足で上抜けた時に決済します。

トレーリングストップ機能

トレーリングストップ開始位置

トレーリングストップ機能の開始位置。この値に次のトレーリングストップ幅を加算した値以上になると逆指値がトレーリングストップ開始位置に移動します。

トレーリングストップ幅

逆指値が、常に現在の売値、または、買値とこのトレーリングストップ幅を維持しながら移動します。

トレーリングストップ開始位置、トレーリングストップ幅の設定値

5分足から1時間足は2022年の1年間、4時間足、日足は2018年から2022年の5年間のヒストリカルデータで最適化を行って求めた値を設定。

その他の仕様

通貨ペアはEUR/USD、EUR/JPY、GBP/USD、GBP/JPY、EUR/GBP

時間足は1時間足

初期証拠金は日本円で1,000,000円

ロットは0.01(1000通貨)

スプレッドは10(1pips)

利益確定幅は60pips

損切り幅は60pips

新しい足(バー)が出来た時に1度だけエントリー、決済の判断を行います。

ロング1ポジション、ショート1ポジション、両建て時に最大で2ポジションエントリーします。

検証結果

各通貨ペア、2018年~2022年の5年間のバックテストで検証してみました。

EUR/USD

EUR/JPY

GBP/USD

GBP/JPY

EUR/GBP

まとめ

EUR/USD、GBP/USDが改善するどころか、悪くなっていますね。

ドルストレート系の通貨ペアとは相性が良くないのでしょうか・・・

EUR/GBPに関しては、最適化で求めたトレーリングストップ開始位置、トレーリングストップ幅の設定値は効果なしです。

EUR/JPY、GBP/JPYに関しては数値的には改善していますが、大きく落ち込んでいる期間があるので、この辺りを改善するには移動平均線の期間を調整する必要があるかもしれません。

今まで先入観でゴールデンクロス、デッドクロスでは利益が出ないと思っていましたが、1時間足以上だとゴールデンクロス、デッドクロス形成後に、ある程度の上昇、または、下降方向へ振れている間に利益をもぎ取れば勝つことが出来るということですね。

と言うことは、上位足のトレンド判断にゴールデンクロス、デッドクロスを利用し、下位足でエントリー、エグジットを行えばそこそこ勝てるかもしれません。

実は私自身、本口座に実戦投入している自作EAに、環境認識としての上位足のトレンド判断としてゴールデンクロス、デッドクロスに近い手法を取り入れています。

まずはトレード手法の基本中の基本であるゴールデンクロス、デッドクロスを5回に渡って検証してきましたが、何かしらの工夫を加えたり、使い方を工夫しないと、これだけでは安定的に勝つことは出来ないという結果になりました。

5回に渡って検証に使用したEAはこちらになります。検証に使用しなかったローソク足と移動平均線の位置関係によるトレンドフィルター機能も付いてます。パラメータを解放していますので、最適化して楽しんでみてください。

余計な心配かもしれませんが、リアル口座で使ってみようと思う方がいらっしゃいましたら、十分に検証をして頂いた上で、全て自己責任においてご使用ください。

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